今回は、人生が大きく動くときに必ず立ちはだかる「作用・反作用」について解説します。
下記に人生における成功と挫折の構造を図解したので、一度目を通してみてください。
人生は「波」である:作用・反作用の法則
誰もが経験する成功法則を語る前に、まずは「作用・反作用の法則」について理解しておきましょう。
人生は決して平坦な道ではありません。
山あり谷ありの連続、まるで波のように、上がったり下がったりを繰り返しながら進んでいきます。
宝くじで高額当選した人がその後破産してしまう…そんな話を聞いたことがあるかもしれません。
これは「自身のステージをはるかに超える結果を得てしまったことによる反動」と考えられます。
つまり、大きな幸運を得た後は、反動で大きな不運に見舞われる可能性があるということ。
宝くじのような劇的な幸運に限った話ではありません。
大きな成功を収める人の多くは、その裏で想像を絶する苦労を経験しています。
順風満帆で、何の苦労もなく成功し続ける人などいません。
誰もが知る有名起業家も、成功の裏では、資金繰りに奔走したり、仲間との衝突を経験したり、時には大きな失敗をして挫折を味わったり…様々な困難を乗り越えてきたはずです。
「成功」という頂点にたどり着くためには、必ず一度「谷底」を経験する必要があるのです。
大きな成功の前に訪れる「反作用」の正体:ホメオスタシス
なぜ私たちは、大きな成功を収める前に「谷底」を経験しなければならないのでしょうか?
それは、人が成長しようとするとき、潜在意識が「現状維持」をしようと抵抗する「ホメオスタシス」という力が働くためです。
心理学におけるホメオスタシスとは、「今のライフスタイルや環境をなるべく維持しよう」という心理です。心理的ホメオスタシスには、良い面と悪い面があります。
良い面は、私たちの生活に安定をもたらしてくれること。心理的ホメオスタシスがなければ、A社に入ったと思えばすぐに飽きてB社に転職したくなるというような、落ち着きのない不安定な生き方になってしまいますよね。
悪い面は、自分を変えたいとき、新しい挑戦をしたいとき、心理的ホメオスタシスが足かせとなってしまうこと。せっかく始めたランニングが三日坊主に終わってしまうのも、勉強する習慣がなかなか身につかないのも、ホメオスタシスが従来の習慣を維持しようとするのが原因なのです。
引用:Study Hacker
人の心は、「変化」を恐れ、「現状維持」を望む傾向にあります。
たとえ「現状より良い状態」であっても、変化に伴う「未知の不安」を避けようとします。
月収30万円の人がおり、月収100万円を稼ぐチャンスを得たとします。
顕在意識では「よし!頑張ろう!」と意気込む一方で、
潜在意識では「今のままで十分」「失敗したらどうしよう」という不安が湧き上がり、ブレーキをかけてしまいます。
結果、さまざまな「反作用」を引き起こします。
① アイデンティティ・クライシス:本当の自分を見失う苦悩
「自分は本当は何をしたいのか?」「自分は何者なのか?」
そんな根源的な問いに悩み苦しむ状態、それがアイデンティティ・クライシスです。
今まで「こうありたい」という理想像を演じてきた結果、本当の自分を見失います。
周囲の期待に応えようとしすぎたり、世間体ばかりを気にして、自分の本心を押さえ込んで生きてきた結果、「本当の自分は何なのか?」わからなくなってしまうのです。
② 引き戻し現象:過去の自分からの呪縛
過去の自分を知る人との接触によって、過去のセルフイメージに引き戻されてしまう現象が引き戻し現象です。
例えば、大きな変化を遂げようとしているタイミングで、昔の友人や恋人から連絡が来たり、会いたいと思ったりするのもその一種。
あなたが大きな変化を遂げ、過去の自分とは違う人間になろうとしていることに対し、無意識のうちに抵抗感を抱き、過去のあなたに戻そうとしてきます。
③ 強制払い現象:不要なものを手放す試練
神社で祈祷をするとき、最初に頭を下げて邪気を払う動作…誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
あの動作は「強制払い現象」を象徴しています。
大きな変化の前に、邪魔になるものを強制的に排除される現象。
今まで一緒にいた仲間が急に離れていったり、関係性が変わったりするのも、強制払い現象かもしれません。
あなたが新たなステージへと進むために、不要になった人間関係や価値観を手放す必要が生じているサインといえるでしょう。
反作用を乗り越える3ステップ
大きな成功を収めるためには、避けては通れない「反作用」。
反作用は成長するための試練であり、乗り越えることでさらに大きく飛躍できます。
以下の3つのステップを意識してみましょう。
①原点に立ち返る:自分自身と向き合う旅
「そもそも自分は何をやりたかったのか?」「自分の原点は何だったのか?」
焦らず、ゆっくりと時間をかけて、自分自身と向き合ってみましょう。
子供の頃の夢、学生時代に熱中した趣味、忘れかけていた情熱…あなたの心の奥底には、必ず「原点」となる何かが眠っているはずです。
②目の前の人へ目を向ける:自己中心的な思考からの脱却
あれこれと悩んで堂々巡り。
そんな時はいったん立ち止まり、今目の前にいる人に目を向けてみましょう。
その人のために、あなたには何ができるでしょうか?
自分以外の誰かのために役に立ちたい、貢献したいという気持ちは、あなたの心を満たし、新たなエネルギーを生み出してくれるはずです。
③目標を見つめ直し、軸を定める:潜在意識を書き換える魔法
「自分はすでに目標を達成している」という前提で考えること。
潜在意識の抵抗を弱め、行動しやすくするための非常に効果的な方法です。
目標を達成した自分をありありとイメージすることで、潜在意識は「すでに達成している状態」を受け入れやすくなり、行動へと駆り立てられます。
これらのステップを実践することで、「光(本来の自分)の記憶」と「闇(過去のトラウマや歪み)」が統合され、「陰陽統合」が起こります。
今までマイナスに捉えていた過去の経験が、すべてプラスに変わっていきます。
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