『優しさの下の欺瞞』という性格の悪い見方

「あの人は優しい人だよね」

多くの人が言われたい言葉だと思います。

だだ、

そもそも、優しいとは何なのだろうか。
そもそも、優しくない人間など居るのか。

結論から伝えます。

人間が他人を評価するときに使う『優しい』とは『自分にとっての都合の良さ』です。

という、捻くれた話を今回はしていきます。

見返りのある優しさ

よく恋愛漫画で『真心が伝わって、相手も自分を好きになる』みたいなシーンがありますよね。

僕を含めた非モテと呼ばれる人たちは、恋愛でそれを期待する傾向があります。

ですが、現実でそれが起こることはほぼありません。

好意が伝わったところで、大前提として相手にとって自分に価値がなければ、その好意は独善的でキモいだけ。

つまり、
優しくしたから優しくされるとか、
自分の優しさが伝わったから優しくしてもらえる、

なんてことはないんです。

それどころかむしろ、伝わった方がキモがられることもあります。

ただ、見返りがあれば話は別。

相手からの要求を「なんでそんなことしなきゃならないんだよ！」と思うなら、その時点で優しい人間でいてはいけない。

「優しい人間だと思われて良くされたい」という意図があるなら、
良くされたいという意図の方が本物で、それは単なる強欲でしかない。

「自分のこの優しさや真心をわかってもらえれば優しくしてもらえるはず」という気持ちは、
自分が強欲であるという事実の裏面そのものである。

『優しい人』は見返りなど求めない。

優しくしたから優しくしろ。
真心を持ったから真心を持て。
ギブしたからお前もギブしろ。

相手からしたら、そんなものは関係ない。

相手には相手の都合がある。
相手が欲しいものを与えれば相手は喜ぶ。
つまり与えたところで喜ばれないのであれば、相手の欲しいものではない。

自分の優しさの押し売りをしておいて、見返りを求めるのはもはや優しさどころの話ではないだろう。

他人にとっての優しさとは

相手にとって優しい人間でありたいなら、下記を実践しなくてはならない。

人間は、こういう人を優しいと評するのだ。

こういう存在になりたいだろうか？
これを際限なく求められる存在になりたいだろうか？
これは『お母さん』以外の何者であるというのか？

「優しい」とは「都合がいい」と同義である。

優しいという評価を貰いたいなら、都合のいい存在になろう。
その人から何かを得たいなら、優しいという評価を捨てよう。

相手にとって何か価値のある人間、つまり都合がいい人間になりたくないなら、優しいという評価を捨てるしかない。

優しく見られたい。
良い人に見られたい。
そして、人に良くして貰いたい。

それは、単に強欲な人間なのである。

暴君であるが故に英雄になれる

ここまで散々、優しさをこき下ろしてきたが、

相手から見返りを欲する気持ちは、決して悪いものではない。

人間誰しもが持っているただの本能。

つまり普通だ。

では何が問題かというと、

欲望を隠しながら、優しい人間のフリをして、下心を持って他人に近付くのが非効率なのだ。

相手から何かが欲しい、それは当然の話だ。

だが、相手の欲しいものを差し出さずして、上記を手に入れようとすると、騙しあいにしかならない。

相手が欲しいものはなにか。

それは『持っているもの以外』である。

それを見抜く力に足りているだろうか。

自分が欲しいものは相手の欲しいものではない。
自分がこうされたら嬉しいからと言って、相手もそうされて嬉しいとは限らない。

むしろ、冒頭のようにキモいだけかも知れない。
優しく見られようとすればするほど、我々はキモく見られるだけかもしれない。

何か相手から欲するものがある時に「優しく見られよう」というのはむしろ悪手かもしれない。

強欲で、それに正直で、楽しそうに生きている人の方が、魅力的だと思われるかもしれない。

個人的に、現実世界で上記を体現しているのがレペゼンのDJ社長だ。

「周囲を振り回す」「人の話を聞かない」が世間の共通認識であるにもかかわらず、大勢の支持者がついている。

まさに現代の暴君だ。

現在は失踪しているが、そのうち戻ってくると僕は信じている。

自分もそういう風に生きてみたい、なってみたいと思う相手に人は惹き付けられる。

優しく見られたい、なんてものは既にみんな持っている。とすれば、そんな人は魅力的ではないのだ。

今まで貴方が惹き付けられた人はどんな人だろうか。

ただ優しいだけの人だっただろうか？

その人がどう優しさを扱っているか、今一度確認してみよう。