ベネフィットはコピーの重要な要素であり、商品やサービスの価値を伝える重要な要素の1つです。
よく「特徴」と混同されがちですが、実際はその特徴によってどんな「良い未来」が訪れるのか、ということを指します。
この記事では、人の心に刺さるベネフィットの作り方を徹底解説します。
ベネフィットの作り方:FABフォーミュラ
ベネフィットは「FABフォーミュラ」という公式で作れます。
- Feature:特徴
- Advantage:その商品を使うとどうなるのか?
- Benefit:理想の姿
「ダイエット講座」を例とした場合、下記のようにステップを踏むことでベネフィットを作成できます。
ベネフィット3種類
ベネフィットとは、相手が「自分に利益があるな」と感じてもらうこと。
利益があると感じてもらうには、下記3つの「満足」が必要です。
- 感情的満足
- 実用的満足
- 結果的満足
どれか1つでも欠けると、不満と感じられてしまいます。
逆にいえば、3つの満足を埋められれば、有益な神商品であると感じてもらえます。
感情的満足
感情的満足とは「得をした!とても良いものをもらえた!」と感じたときの充実感を差します。
高級レストランであれば「内装」の美しさや「接客」の丁寧さは、この満足感をもたらすための仕掛けといえるでしょう。
また、レストランでは本来、美味しさを求めますが、美味しくなくても下記のような要素があれば満足感を得られます。
- 限定性:今ここでしか食べられない創作料理
- 希少性:珍しい食材を使った料理
- 権威性:誰もが知っている高級な食材を使った料理
- 社会的証明:有名店でなかなか予約が取れない
上記のように、さまざまな角度で満足感を与えることができます。
実用的満足
提供する商品の使い勝手がよかったり、快適になったりすることで生まれるベネフィットです。
ライティング教材なら、中身が読みやすく・使いやすい形になっているのが実用性の高さに繋がります。
せっかく役に立つと思って買ったのに、結果を得るまでの労力が買う前と変わらないのであれば「実用的満足」は感じてもらえないでしょう。
特に男性は実用性を重視するので、男性向けの商品を売るときは意識してみましょう。
結果的満足
商品によって顧客が物理的に得をすることによるベネフィットです。
商品を通して顧客を行動させて、得られた成功体験によって、後から 「あの商品のおかげだ」と満足してもらえます。
商品はあくまで「結果」を手に入れるための手段。
顧客に結果を手に入れさせるには、商品を通して顧客を行動させなければいけません。
なぜなら、行動によってのみ顧客は結果を手に入れられるからです。
結果的満足を提供するには、顧客に行動をしてもらい「成功体験」を得てもらう必要があります。
満足感を引き出す有益トリガー20選
「感情的満足」「実用的満足」「結果的満足」の3つを、より具体的にしたベネフィットを20個紹介します。
【感情的満足】
- ボリュームが多い
- お値打ち
- 礼儀正しく好感が持てる言葉と扱い
- デザインに高級感がある
- 原価がかかっているものがもらえる
- 居場所を与えてもらえている承認
- 購入後のアフターサービス
- 既知と思わせない表現
【実用的満足】
- 読みやすいようにデザイン・レイアウトに配慮がある
- イメージしやすい形になっている
- 顧客の目線に立って作られている
- 問題解決まで一本道
- 自分にピッタリだと感じられる内容になっている
- 情報が知りたい深さまで到達している
- 情報の鮮度がいい
【結果的満足】
- 時間的に得をする
- 金銭的に得をする
- 短期的に成果を感じられる変化
- できなかったことができるようになる
- 分からなかったことが分かるようになる
ボリュームが多い
特典が何個もあったり文字数が多かったりして、多くのものを貰えたからお得だった!と感じてもらえます。
お値打ち
ライバル商品より安い、昔1万円で販売されてたものが無料で付いてくるなど、相対的に得だと感じてもらいます。
礼儀正しく好感が持てる言葉と扱い
誠実に丁寧に礼儀正しく接することで「お客さん思いのいいサービスだな」と感じてもらいます。
ホテルの接客などは感情的満足を顕著に感じられるサービスといえるでしょう。
デザインに高級感がある
視覚的に訴えて高級なものを手に入れられたと感じてもらいます。
有形商品ならパッケージや商品の外観。
無形商品ならサムネやコンテンツ内のデザインにこだわるといいでしょう。
原価がかかっているものがもらえる
手間や原価がかかっているものを貰うことで、得をしたと感じます。
有料サービスならば、値段に対して納得感が生み出されます。
居場所を与えてもらえている承認
人間として認知されていると感じることで満足感が生まれます。
名前を呼ばれたり「〇〇様専用」などの自分専用の表記を見ることで、自分が無視されていないと感じ満足します。
購入後のアフターサービス
釣った魚に餌を与える人はいない、という常識を裏切ることで誠実な販売者だと感じてもらえます。
追加のコンテンツ提供や、購入者限定サポートを実施することで感じてもらえます。
リピーターも増やせるので、ぜひ試してください。
既知と思わせない表現
既存の言葉を使って説明するのではなく「少し」表現を変えたり、新しい名前をつけて説明したりします。
例:時間術の書籍
- 1年・1ヶ月・1週間・1日の時間術
- 時間術大全
- 神・時間術
- YOUR TIME
「これ知ってるわ」と思わせず「新しい知識」と認識してもらいフレッシュな気持ちで受け取ってもらえます。
読みやすいようにデザイン・レイアウトに配慮がある
PCで見る人・スマホで見る人両方に配慮をして文字が詰まっている・行替えに違和感を覚えるといったことがないコンテンツにします。
- 飽きが来ないようにデザインを入れる
- まとめを入れたり目次を入れたりして要点を整理し、見返せるようにする
- 使いやすいように、何からやればいいか明確になっている
- ①②③④のように番号を振る
- ステップ1、2と順番に何をしたらいいか明確に書く
- 実例を入れる
- スクショを入れる
イメージしやすい文章や画像
何らかの概念を解説する際、購入者がイメージしやすい表現をしているとベター。
- それが成り立つ根拠
- 何を目的にするものなのか
- 具体例
- 実践で使用するときの具体的なステップ
- ビフォーアフター
上記のような概念を読み手の脳の中で「要するにこういうことだね」というイメージができるようにします。
例文
価値提供はライティングで重要です。
なぜならば返報性の法則という法則が存在しているからです。
返報性の法則とは「人に何かしてもらったらお返しをしなくてはいけない」と感じる人間の心理のことをいいます。
価値提供をすることで顧客はあなたにお返しをしたいと無意識に感じるようになり、あなたのことが気になって忘れられなくなります。
通販で無料のサンプル品が届くのも価値提供を使った手法。
あなたが価値提供をするためには①顧客がほしいものを調べて用意する、②それを惜しげもなくプレゼントする、ということから始めてください。
顧客の目線に立って作られている
「知ることのメリット→結論の要約→解説→具体例→最初の一歩」
上記の流れを大切にして、直接話をして教えている状況だったら次に何を聞いてくるか?を想定して先回りして書いていきます。
- コンテンツの並び順が使用者の理解の階段に適しているか?
- 使用者が知りたいことから説明しているのか?
上記2つが利用しやすさに繋がります。
読者と会話を脳内でしながら制作をすると使用者の目線に立ったコンテンツのライティングが円滑に進みます。
問題解決まで一本道
「1コンテンツ1問題解決」をモットーに作成します。
1つのコンテンツで1つの問題が解決しきるまで深掘りして説明をしてあげてください。
1つの問題解決というと「書くことが少なくなってしまう」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
- 顧客の状況や目的によっては自分が提示している方法が当てはまらない場合がありませんか?
- 自分が提示している方法に反論できる主張はありませんか?
- 自分が提示している方法と違った方法を提示している人はいませんか?
顧客はそういった細かい違いを敏感に察知します。
細かい違いが疑問になり「モヤっと感」になってしまいます。全ては不可能でも可能な限り言及するべきです。
自分にピッタリだと感じられる
コンテンツの想定のターゲットを絞り込み、同時にそのターゲットのどんな状況で効くのか?という使用状況まで絞って制作をしてください。
情報が知りたい深さまで到達している
深さとは完全性です。
顧客が疑問に思うことを先回りして答え、同時に顧客が追加で知りたいであろうことも先回りして掲載してください。
「さわりだけ説明して終わり」のような薄味の商品にならないように!
イメージしやすくなるように、具体例であったり事例集を掲載しておくことで顧客の脳内で情報が補完されます。
情報の鮮度がいい
古い例や古い成功体験を聞いても価値を感じづらいです。
可能な限り最新の情報を使ってコンテンツにします。
時間的に得をする
サービスを使うと、使わない人生で本来必要になっていた時間が短縮されることを指摘しましょう。
下記を実践することで「時短できる!」と思ってもらえます。
- 顧客の手間を省くテンプレをつける
- 理解の助けになるような図解を入れる
- フローチャートにしてまとめる
- 箇条書きにする
- 見返した時に必要な情報が網羅された一覧を掲載する
また、コンテンツを手に入れなかった場合、未来に使っていたであろう時間を言語化して訴求することで、価値に気づいてもらえます。
例文
今からお伝えするのは学習効率をあげる予習→復習のやり方です。
あなたは今からの1年間で1日5時間と考えても1825時間の受験勉強をすることになります。
わたしの予習→復習のやり方は脳科学の最新の実験で証明されているのですが記憶の定着が1.5倍良くなります。
つまり、実質的にはあなたは暗記の時間を912時間分も手に入れたも同然ということです。
金銭的に得をする
稼げた、もしくは稼ぐことに直結する数字を取ることができた、という体験をさせます。
稼げる系でなくても「節約体験」で金銭的に得をさせることが可能です。
「本来かかっていたお金が節約できた」
「未来に払うはずだったお金を払わずに済んだ」
このような体験をさせることで、金銭的な得を感じてもらい満足が生まれます。
短期的に成果を感じられる変化
すぐに成果を感じられなければ、顧客はあなたのコンテンツを信じて継続できません。
そのため特に短期的に成果が体験できるコンテンツを、できるだけ序盤に入れます。
安っぽいなぁと思ったとしても、短期的に実践できて効果が出る形にしてコンテンツに入れ込みます。
- 「すぐ実践できる」「すぐ効果が出る」
- 顧客が信用する・モチベーションが上がる
- 継続してあなたのコンテンツを実践してくれる
この行動原理をインプットしてください。
できなかったことができるようになる
過去、顧客ができなかったことを、できるようにする体験を提供します。
今できないことを実感させる、あるいは顧客の直近での失敗経験に共感しましょう。
そのうえで、それが出来るようになる経験をさせてあげれば、満足を提供できます。
例:予備校のセールス
- ちょっと難しい問題を解かせてみる
- 解けない
- その問題に使う公式を分かりやすく教える
- 別の同じ系統の問題を解かせる
- 解くことができる
分からなかったことが分かるようになる
過去に顧客が理解できなかった、ノウハウや概念をわかりやすく解説することで満足を感じてもらいます。
- 顧客がつまずきそうなポイント
- 顧客が分かった気になってるけど説明できないこと
- よく聞くけど実践できないこと
上記を分かりやすい言葉にして解説してください。
付加価値の作り方5選
上記の有益トリガーでも十分魅力的なベネフィットが作れます。
しかし、さらなる付加価値を付けることで「めっちゃいいじゃん!買いたい!」と思ってもらえます。
共感
共感とは、⾃分しか分からないと思っていた脳内の⾔葉・感情を⾔語化して「分かってくれてる!」 と思わせることです。
下記3つのシチュエーションに共感できるとベターです。
- どんなときに
- なぜ
- こう思うか?
共感に関して詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
開発コスト
コンテンツの中身を自分がインプットするまでにかかった、お金・時間・労力を伝えましょう。
客は労力がかかっているほど高い価値が手に入ると考えているので、期待値を一気に上げられます。
また「自分の代わりに苦労してくれてありがとう」と無意識に返報性の法則を生じさせることも可能です。
例文
ない。ない。どこにもない。
SNSを見ても、インフルエンサーのオフ会に行っても、家族に相談しても、誰も知らない。
セールスライターとしての己が壁を突き破るキーがどうしても見つからない。
1ヶ月後、「どうしよう」とぼやきながら、手当たり次第に本を読み漁ってるなかで、私はとうとう見つけた。
答えは、誰も読まないだろと思われるくらい、マイナーな米国人ライターさんの本にあった。
こだわり
どれだけコンテンツ制作に自分がこだわりを持っているか、思い入れがあり時間と労力を使ったのかを伝えます。
例文
このコンテンツは、私のWebライター歴4年のすべてを注ぎ込んだ最高傑作です。
一介のブロガーではなく、企業で働いてきた知見も入っているので、フリーランスになっても当たり前に使える。
2年前から作成を開始し、少しづつ調整や追記を重ねて完成した、まさに血と汗の結晶です。
秘密の公開
顧客が知っている有名人や企業が実践している、成功の秘訣のタネをバラすよ!といった形で価値をつけます。
人間は秘密や裏側、陰謀などの『謎』を解き明かしたい本能を持っているので、非常に有効な手段です。
例文
芸能人の○○さんが50歳なのにあの肌なのはおかしいって思ったことありませんか?
○○さんが愛用している化粧品の成分を分析したらビックリ。
市販の化粧品で組み込まれてない成分と市販の化粧品に必ず入ってるのに入っていない成分があったんです。
2つの成分なのですが自分で排除と摂取ができるので今からお話しすることさえ知ってしまえば実質○○さんと同じ化粧品と同じ体験をあなたの肌でできるということになります。
証拠・実績・推薦
コンテンツがどれだけ成果があるのかの証拠をデータ・実績・お客さんの声・他の権威ある人間からの声を提示して価値付けをします。
またどれだけ自分が凄いのか?コンテンツが凄いのか?を提示して価値付けをします。
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